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日々の雑感が惰性で書かれた怪文書

感想『アイドリッシュセブン』第2部 ゼロの亡霊とRe:vareの友情

登場人物が悩んでいる時に私がアドバイスしてあげられたらな、と思うことが多々ある。『アイドリッシュセブン』では、実際の私は別のキャラクターとして物語に組み込まれているが、基本ポンコツなので的確なアドバイスは期待出来ない。その辺り二階堂や一織がフォローしてくれるのだが、それまでがもどかしい。

 

それぞれ内包した悩みは解決する度に一人ひとりを成長させていく。もどかしい期間も焦らしとして考えれば、解決された時により一層の感情移入が出来るのかもしれない。

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アイドリッシュセブン オフィシャルファンブック 3

アイドリッシュセブン オフィシャルファンブック 3

 

 

以下、本編ネタバレ含めて感想。

 

第一部が終わり、平和に終わった後にどんな展開があるのか……と胃痛と共に身構えていたけれど、序盤は静かすぎるくらい平和に物語は進んでいた。新キャラであるトップアイドルのRe:vareはIDOLiSH7に初めて会う時、ドッキリを仕掛けてくるほど陽気で、普段の掛け合いは夫婦漫才を彷彿とさせる小気味よいものだ。

 

MEZZO''や二階堂に次々と仕事が舞い込んできて、まさに昇り龍の如く人気が上がっていく様子が見られる。きっとこのあと来るであろう嵐の前の静けさを私は堪能していた。

 

RE:VAREの5周年コンサートが、伝説のアイドルが歌ったゼロアリーナのリニューアルこけら落とし公演で3日間、盛大に行われる。それに向けてIDOLiSH7とTRIGGERがシャッフルユニットを組んで一緒に練習していくというようなストーリーの流れだ。

 

この第二部を語る上で欠かせないのは「九条鷹匡」という男の存在だ。彼はゼロのマネージャーだった男で、陸の兄である天を奪った元凶、として第一部では知らされていた。

 

第二部ではIDOLiSH7の四条環の生き別れた妹、四条理が渦中の存在となっていく。彼女は環と引き裂かれたあと、養子縁組となったのだろう。その後、里親が多額の借金を背負ってしまい貧困にあえいでいたところ、そのゼロを超える類まれなる才能に目をつけた九条鷹匡が借金を全額返済し、海外で歌やダンスのレッスンをするように躾ける。

 

理は環と一緒にいたいのは確かだが、命の恩人である九条鷹匡を裏切ることはできない。なので「九条理」として、天のスペアだったとしても彼の最終的な目標である伝説のアイドル、ゼロを超えたい、アイドルになりたい。そう環に訴えるのだった。

 

この九条は過去に怪しいところが多々あり、IDOLiSH7の逢坂壮五の叔父、逢坂聡を死に追いやり、元Re:vareの大神万理を怪我で引退させるなど黒い噂が絶えなかった上に、第二部のあちこちにスプレーで「ゼロの歌を歌うな」という趣旨の落書きを書いていた犯人だった、という描写がある。

 

今の理の義兄は陸の実兄の天であり、その父親は九条。これが後々どう影響してくるのかは分からないが、今のところ逢坂&七瀬&四条の被害者の会3名は彼に良い印象は持っていなかった。

 

また、Re:vareの百は元RE:VAREの大神万理の代わりだと思っている節があって、こけら落とし当日まで声が思うように出ず、それをIDOLiSH7とTRIGGERのタッグでRe:vare、千の百への愛情を吐き出させ、見事に解決する場面が最後の方にある。

 

これはこれで感動的な場面であったが、千はこけら落とし当日まで百の問題を引きずらせるくらいなら早く本音を言ってしまった方がよかったように思う。

 

ふざけるな!モモの声が潰れることがあったら、君を一生許さない……!あいつが隣にいてくれたから、僕は音楽を続けていくことが出来たんだ!

 

立花慎之介さんのがなり声で表現されたこのセリフはとても良いものでした。(ただのファン)

 

それと、MEZZO''の話も必要だろう。先の九条の話に絡むが、精神的に成長した四条環を見抜けず、理の存在を知っていた逢坂壮五はそれを隠し通す。しかし壮五が持っていた理の落としたキーホルダーがきっかけでバレてしまい、ユニット間に致命的な亀裂が走った。

 

理に気を取られて仕事が手につかなくなるかもしれないと思っていた壮五と、改心したのに以前と同じような奔放な人間だと思われていたと感じた環は一時MEZZO''解散の危機にまで追い込まれてしまう。

 

しかし、十龍之介の仲立ちにより両者は和解。龍アニキ最高!イエーイ!という感じだけれど、まだ壮五の自己完結的な性格は治っておらず、もう一波乱ほどありそうな感じである。

 

閑話休題、第一部でTRIGGER盗作騒ぎがあった「NATSU☆しようぜ!」だが、一年後の夏フェスでIDOLiSH7とTRIGGERが共に歌うことで和解した。TRIGGER側の事務所がネックだったが、TRIGGER自身が自ら粉を被ってでも歌いたい、としたことからやはりそのクールな印象から受けるものとは真逆の熱い性格を感じ取れる。

 

第二部はここで終了だが、第三部はどうやらTRIGGER回になるようだ。個人的にはモブの仙石東が最推しなんだけれど……?仙石東回っていつ頃来るかな??

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NATSU☆しようぜ!(IDOLiSH7 ver.)

NATSU☆しようぜ!(IDOLiSH7 ver.)